線維筋痛症鍼灸

これらの症状を引き起こす病変が、血液検査や画像検査では見つかりません。日本で線維筋痛症の存在が注目されたのは、２１世紀に入ってからのことです。

「聞いたことがない病気だ」

「聞いたことがあるがどんな病気かよく知らない」

という方が多い、新しい病気です。

検査などで病変がみつからない

「痛むわけがない」

「仮病ではないか」など

誤解されることも少なくありません。 強い痛みは脳働きの誤作動がもたらすものと考えられています。 その改善を図ることが必要な病気です。全身の痛みで動けなく身体がつらい、原因がはっきりしていない不快な症状に悩まされている人、慢性的な痛みは線維筋痛症かもしれません。

原因不明の痛みが全身に生じる病気です。

全身あちらこちらが痛んだり、ひどい倦怠感やふかいな症状が生じたりする病気です。

一般的な検査では病変がみつかりませんが、何らかの異常が起きています。線維筋痛症の場合は、全身にわたって症状が出ます。

左半身、あるいは右半身のみにいたみなどの症状が現れる場合は脳や脊髄の病気障害などの別の原因と考えられます。

主症状

全身の痛み(関節痛、筋肉痛、頭痛、こわばり　など)

神経症状

しびれ、めまい、耳鳴り　など

精神的な症状

眠れない、不安感、物忘れ　など

痛み以外の身体的な症状

疲労感、身体の冷え、便秘・下痢、頻尿　など

 これらの症状を引き起こす病変が、血液検査や画像検査では見つかりません。

強い痛みは脳働きの誤作動がもたらすものと考えられています。

その改善を図ることが必要な病気です。

２０世紀末についた病名

１９９０年にアメリカリウマチ学会が線維筋痛症の診断基準(ACR1990)を発表される。

日本では２００３年に厚生労働省が線維筋痛症研究班を設置(班長:西岡久寿樹先生)、線維筋痛症に対の研究が始まりました。

２００９年に日本線維筋痛症学会が発足。線維筋痛症診療ガイドラインが作られる。

線維筋痛症の診断(分類)の代表的なものとして、米国リウマチ学会が作成した18箇所の圧痛点が広く用いられています。

１．広範囲にわたる疼痛の病歴

広範囲とは右・左半身、上・下半身、体軸部（頸椎、前胸部、胸椎、腰椎）

２．指を用いた触診により、18ヶ所の圧痛点のうち11ヶ所以上に疼痛を認める。

指を用いた触診は4Kgの圧力で実施します。

圧痛点の判定：疼痛に対する訴え　（言葉、行動）を認める。

判定：広範囲な疼痛が3ヶ月以上持続し、上記の両基準を満たす場合。といわれております。

線維筋痛症の疼痛は出現部位やその程度がひとによって異なり、きわめて多様性に富んでいます。

線維筋痛症診療ガイドライン　日本線維筋痛症学会　編　引用

鍼の刺激により、中枢性にモルヒネ痛みを和らげるホルモンが放出されます。

また、脳に伝える神経を刺激することで痛みを抑制させることにより痛みを緩和させる効果があります。

痛みに対する誤った認識を改善させる“認知療法”と、日常生活の正しい行動を学習させる“行動療法”を組み合わせたものです。当面の問題解決に際して、効果的な対処法の習得を目的とした心理療法の1つで、有効性が示されています。