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不眠症と認知行動療法

不眠症の認知行動療法

 不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が一か月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下等の不調が出現する病気です。

 不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用等様々なものがあり、それぞれの原因に応じた対処が必要となります。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態の固執のため、さらに不眠が続くという悪循環に陥ります。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全であるから睡眠薬に対する過度の不安は不要です。

「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験は誰もが持つものであるが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになることが多いです。

しかし、時には一か月以上にわたって不眠が続く場合があり、不眠が続くと日中に種々の症状が出現するようになります。

倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたるが、「1.長期間にわたる夜間の不眠の継続」「2.日中における精神や身体の不調の自覚による生活に質の低下」という2つの症状が認められたとき、不眠症と診断されます。

不眠対処の第一歩は、ストレスや生活リズムの乱れ環境等様々な不眠の原因を診断し、除去することです。さらに、自分に合った安眠法を工夫することも効果的であります。安眠のためのコツは以下のとおりです。

1. 就寝・起床時間を一定にする

睡眠覚醒は体内時計で調整されているため、夜更かし、寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すことになります。平日・休日にかかわらず同時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大切です。

2. 睡眠時間にこだわらない

睡眠時間には個人差があることから、○○時間は必ず眠るといった目標を立てるべきではないです。どうしても眠れないときはおもいきって寝床から出るほうがよいです。寝床にいる時間が長すぎると熟眠感が減少します。日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的であります。

3. 太陽の光を浴びる

太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。光を浴びてから14時間目以降に眠気が生じてくるため、早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起床できるようになります。「早寝早起き」ではなく「早起きすることが早寝につながる」というべきです。逆に夜に強い照明を浴びすぎると体内時計が遅れて早起きが困難になります。

4. 適度の運動をする

適度の肉体的疲労は心地よい眠りにつながります。運動は午前よりも午後に軽く汗ばむ程度の運動をするのが望ましいです。激しい運動は刺激になって逆に寝つきを悪くなります。短期間の集中的な運動よりも負担にならない程度の有酸素運動を長時間継続するほうがより効果的です。

5. 自分流のストレス解消法

ストレスは眠りにとって大敵であるから、音楽・読書・スポーツ・旅行等自分が楽しめる趣味で気分転換をして、ストレスをため込まないようにすることが大切です。

6. リラックスできる入浴

睡眠前に副交感神経を活発にさせることが良眠のコツであるから、ぬるめの風呂にゆっくり入り、心身の緊張をほぐすとよいです。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させます。

7. 寝酒はしない

酒は睡眠にとって百害あって一利なし。寝酒をしても効果は短時間しか持続せず、飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えます。

8. 快適な寝室づくり

ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選び、室温は20℃前後、湿度は40%~70%くらいに保つのがよいです。

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