過労・ストレス型不眠

疲労やストレスが積み重なって眠れないといっても、抱えた状況はさまざまでしょう。毎日、長い時間をかけて通勤し、仕事も長時間という人。

家事を完璧にやろうとするあまり、疲れてしまっている人。

体を疲れさせれば眠れるはず、とジムやスタジオでヘトヘトになるまでエクササイズしたり、走ったりする人。

仕事や学業、会社や家庭の人間関係、将来の不安などを抱えて気が重い人。

眠らなければと焦るあまり、ストレスになっている人。興奮したり緊張した状態では、自分が疲れているのを忘れるくらい気が張ることもあります。

こういう人はギリギリまで頑張ってしまい、突然ダウンすることもありますから、気をつけて。

それでも眠ればある程度回復するレベルなら、自分で改善できることはあります。

まずは原因を解消する方法を考えましょう。そして、ほどほどというスタンスを学ぶのも大事です。思いつめすぎると、メンタル疲労やうつといった症状へと進んでいきます。

 

【ふとんに入って20分。眠れなければ、一度出る】

疲れているのになかなか眠れない夜は本当に辛いものですが、そんなときの対処法を持っていますか。

我慢して眠気が襲ってくるまで待つ。起きてテレビを観たりラジオを聴いたりする。

お茶を飲む。

本を読む。

ぼんやりする。いろんな人がいるでしょうが、よくないのはイライラしながらベッドやふとんの中でじっと我慢することです。

交感神経が優位になって余計に眠れなくなりますし、ベッド=眠れなくて苦しい場所というネガティブイメージを脳に定着させてしまいます。

 

■対処法①

目を閉じて深く呼吸し、リラックスできれば次第に気分が落ち着いて眠る準備が整います。

無理して眠らなくていいのだ、という楽な気持ちを持つようにしてください。

 

■対処法②

じっとしているのはつらい、という場合は、思い切って一度、ベッドやふとんから出ることをおすすめします。

もし、眠れない時間が20分以上続くようなら、起きてリビングのソファなどゆったりできる場所へ移動しましょう。

そこでしばらくの間、まぶしいほどの明かりは避け、リラックスできる音楽を聴いたり、体をやさしくほぐしたり、テレビを観ながら眠気が戻ってくるのを待ってみるのです。

ただし、激しい音楽やドラマチックな番組は脳を覚醒させてしまいますから、穏やかなものを、ボリュームを絞って楽しむくらいに。

ただし、パソコンを開いたり仕事を始めるのは厳禁!交感神経の働きが高まって眠気が去ってしまいます。

 

 

いびき・無呼吸症候群

いびきは気道が狭まって、そこを空気が通って震え、音を出している状況。狭い気道という悪条件の中、必要な空気を取り込むべく頑張っているわけで、寝て疲れを取るはずが、さらに疲れるという図式です。

 

仰向けで寝ているときに舌の付け根がのどに落ち込んで気道を狭めている場合が多いほか、のどの筋肉が弱って狭まる場合もあります。

また、鼻炎や鼻づまりで鼻呼吸ができず、口呼吸になっていていびきをかくことも。

夜中に何度も起きたり、朝起きたときに口が渇いていたり、熟睡感がない人は、いびきをかいている可能性大。いびきがひどくなると、寝ている間に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」に進む危険性が高くなります。

呼吸が止まれば苦しくなって覚醒、ということが頻繁に繰り返され、疲れが募ります。それがゆくゆくは、高血圧などの生活習慣病を引き起こす恐れもあるのです

 

【右を下にして寝ると、いびきも防げる!?】

いびきは周囲にとってはた迷惑という以前に、体に悪い影響を及ぼします。

いびきを防ぐのに効果的なのが、横向きに寝ることです。

のどに舌根が落ちこむリスクも減りますから、いびきが軽減されます。横向きに寝ると寝返りを打ちやすくなり、血液や体液がバランスよく流れるという利点もあります。

また、胃の出口(幽門部)は右下にあるので、横向きでも右を下にして寝るようにすると、胃もたれせず、心臓へかかる負担も軽くなります。

枕も、仰向けに加え、横向きの姿勢を想定して選びましょう。

 

 

化学物質・アルコール型不眠

お酒を飲んで寝ると、夜中にトイレに行きたくなって目覚めたりします。

これはアルコールのもつ利尿作用によりますが、アルコールが分解・代謝されるときに脳を目覚めさせてしまうせいでもあります。

また、汗をかいたり喉が渇いたりして目覚めることも。

寝つきがよくなるので、寝酒に頼る人も多いと思いますが、簡単に量は増えていきますし、量が多くなるとかえって眠りを妨げますから、ほどほどにしておきましょう。

また、一時期、睡眠薬や睡眠導入剤を飲んでいて、やめたあとに反動で眠れなくなることもあります。

カフェインやニコチンのせいで眠れない場合もあります。ご存知のように、コーヒーや紅茶、緑茶などにはカフェイン、たばこにはニコチンが含まれています。

これらは眠ろうとする脳を目覚めさせてしまうので、寝る前の一杯、一服は控えめにしておきましょう。

 

【カフェインの効き目はけっこう続く】

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインには、眠気を感じる神経システムを阻害する働きがあります。カフェインを含む飲料の効果があらわれるのは飲んでから20~30分後。そして、そこから4~5時間は覚醒作用が続くのです。カフェインを含むものは、コーヒーや紅茶が代表的なのはよく知られているところ。でも、緑茶や烏龍茶、エナジードリンクや炭酸飲料、ココア、チョコレートにも含まれていますから、摂りすぎには気をつけましょう。

 

【寝酒は逆効果。ハーブティーや白湯を】

アルコールは自律神経を麻痺させ、分解されるときに交感神経を刺激するので、途中でパッと目が覚めてしまうことがあるのです。

また利尿作用があり、トイレに行きたくなって目覚めてしまうことも。

いびきが増えたり、人によっては睡眠時無呼吸症候群の危険性も高まります。習慣化すると起こりうる、アルコール依存症も見過ごせません。

眠る前に飲むなら、白湯やハーブティーがおすすめです。温かい飲み物で胃はぬくもり、副交感神経が優位になって眠りにつきやすくなります。

蒸し暑さや汗で睡眠時に起こりうる、脱水症状の緩和にも役立ってくれるでしょう。

ハーブティーならカモミールやラベンダーをブレンドしたものがおなじみ。

最近ではルイボスティーなど、ノンカフェインのものも増えてきました。

ほんの少し甘みをつけて飲めば血糖値があがり、眠りやすくなります。

 

睡眠環境型不眠

寝る場所の環境条件によっては、寝つきが悪くなったり途中で目が覚めてしまったり、十分に疲労回復ができないことがあります

たとえば、だるくなるから暑くてもエアコンを使わない。

寝室の照明が明るすぎる。

テレビやラジオの騒々しい音が聞こえてくる。

スマホやタブレットの画面がまぶしい。部屋の湿度が高いなど、いろいろあります。

ほかにも、香りや、ふとんの中の温度・湿度、寝具の質や形、寝るときの衣服や姿勢なども関わってきます。

いい香りでも、寝ようというときに気分を高揚させてしまっては逆効果ですし、せっかく部屋を快適な室温・湿度にできていても、ふとんの中が高温多湿では、寝苦しいことこの上なし。

枕の高さや素材、当て方、マットレスの体に当たる部分の硬さによっても、睡眠の質は大きく変化します。

 

【夜は暖色系の間接照明。朝は太陽の光を。】

夕方以降は徐々に体に眠りの時間が近づいていることを知らせるようにしたいものです。

そのためにまず見直したいのが、照明。睡眠を促すホルモン=メラトニンを分泌しやすくするため、間接照明に切り替え、できれば夕焼け色のような暖色系の明かりにしましょう。

人間に限らず、動物は夕焼け色の光を感じて眠りの準備を始めます。

白色のまぶしい光よりも夕焼け色のような暖色系の光のほうが、副交感神経を優位にし、スムーズに入眠できることがわかっています。

眠るときは、明かりはなるべく消します。真っ暗が不安な人は、足元を照らすフットライトなどを利用しましょう。

人影がぼんやり見えるくらいが理想です。

朝は、目が覚めたら太陽の光をしっかり浴びるようにします。直射日光でなく部屋に差し込むやさしい光でも十分です。眠気が吹き飛ぶと同時に、太陽の光を浴びることで夜もぐっすり眠れるようになります。

 

【温度・湿度管理は寝具の中も忘れずに】

夏や冬は室温をどうするか、悩みますね。

夏の熱帯夜にはエアコンをつけたり消したりするより、つけたままで風が直接当たらないよう、布団をかけて寝るのが正解です。

夏は25~27℃、冬は15~18℃が目安。最近ではお休みモード付きのエアコンも多いので、有効活用しましょう。

湿度は年間を通じて50~60%に保つのが理想です。

エアコンで空気が乾燥しがちなら、加湿器を使うなど調節しましょう。

忘れてしまいがちなのが、寝具の中の温度や湿度です。寝具の中の温度はだいたい32~34℃になるように、掛け布団、タオルケット、毛布などをうまく組み合わせましょう。

また、寝具内の湿度は45~55%くらいが理想。

私たちは寝ている間にコップ1杯の汗をかくといわれるほどですから、湿気をいかに適度に保つかも、睡眠の質を左右します。

適度に寝返りが打てるような寝具も大事です。