なぜ脚が耐え難いほどむずむずしてしまうのでしょうか。

その原因は、神経の伝達回路、つまり脳から脊髄、脊髄から末梢神経に至る経路に、何らかの不具合があることが考えられます。

神経伝達物質であるドパミンの機能低下や、鉄分の不足による代謝の異常の2つが主原因といわれています。

しかし、まだ詳しいことは分かっていません。

 

遺伝的要因も大きいようです。

45歳以下の若年性の発症例に、遺伝性のケースが顕著になっています。

親にむずむず脚症候群があると、その子も若いうちに発症しやすくなります。

ただし、若年性の場合には、ゆっくりと進行しますが、45歳以上の場合は、発症が一気に強く出る傾向があります。

 

 

ドパミンの機能低下、鉄分不足、遺伝。

これらが主な原因になっている場合を、医学的には「一次性むずむず脚症候群」と呼んでいます。

これに対し「二次性むずむず脚症候群」は、他の病気や睡眠障害から派生的に発症するものをいいます。

病気との関連でいえば、腎不全が挙げられます。

日本は人工透析大国で、およそ200万人の患者さんがいます。

このうち2~3割がむずむず脚症候群の症状を抱えていると推定されています。

 

世界的に見ると、むずむず脚症候群の方は、白人系で人口の3~10%、アジア系では2~4%でアジア系は白人系の半数ほどです。

ざっと30人に1人の割合です。

日本は、2~5%くらいで、250万人以上の人がこの病気で苦しんでいます。

 

二次性RLSの原因としては、腎不全、鉄分欠乏症、自律神経の不具合が挙げられます。

この場合、自律神経の要因の方が大きいのではないかと考えています。

私たちは昼間は交感神経、夜は副交感神経を中心としてバランスをとっています。

一日の中で、アクセルとブレーキを使い分けているといってもいいでしょう。

しかし、むずむず脚症候群の場合、そのバランスが崩れていると考えられています。

 

また女性は、妊娠中の方も多くいます。

妊婦さんの約20%にむずむず脚症候群の症状が現れます。

5人に1人の割合です。

ただし、ほとんどの方は授乳期間が終わるまでに落ち着きます。

妊娠中は鉄分が不足しがちになるということ、さらに妊娠によって下肢への神経が圧迫されることが影響していると考えられています。

 

糖尿病によって発症する場合もあります。

他の睡眠疾患との関連性もあり、たとえば睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方はむずむず脚症候群特有の周期性下肢運動障害がつぎつぎと見つかっています。

 

さらに最近では、腎臓病との関連も指摘されています。

 

尿毒症は老廃物を体外に排出することが困難になる病気ですが、これが二次性むずむず脚症候群を引き起こします。

このように見ていくと、潜在的な患者数はかなりの数になることが推測されるのです。