うつ病の症状が急激に変化することはめったになく、一進一退を繰り返しながら快方に向かっていきます。

「必ず治る」と信じて、あせらず治療に取り組むことが大切です。

≪病状は6つの段階をたどって少しずつ改善する≫

うつ病は、発症から回復に至るまでに、大きく分けて6つの段階を経ていきます。

各段階の中で、少し改善してまた悪化することを繰り返しながら、徐々に次の段階へ移行します。

 

各時期の説明をしていきましょう。

 

【段階①】

第1の段階はうつ状態があらわれ始めた時期をさします。心身のエネルギーが次第に失われ、こころとからだのどちらかにかたよったかたちで症状があらわれてきます。

 

精神面では根気が続かず、集中力や決断力も低下して、仕事や家事がふだんのようにはかどらなくなります。

 

「こんなはずはない」とあせりや不安を覚えることもありますが、多くの人は「一時的なものだろう」と放置しがちです。

早朝に目が覚め、疲れはなかなか抜けず、食欲も低下してきます。

 

からだの各部の痛み、動悸、下痢、のぼせなどの身体症状だけが自覚されたり、不安や緊張がつづいて高血圧になることもあります。

 

【段階②】

抑うつ気分が著しくなってくる第2の段階では、心身の両面に症状がはっきりとあらわれてきます。

考えがまとまらず、ぼんやりとして、もの忘れが目立ちはじめます。劣等感や強い後悔の念にとらわれたり、気分が激しく揺れ動き、突然焦りや不安が生じたり、腹立たしい気分におそわれるケーも見られます。

 

十分に眠ることができず、からだのだるさや疲労感が残ってしまい、食欲不振のために体重が次第に減り、性欲も減退します。

 

 

≪病状は6つの段階をたどって少しずつ改善する≫

 

 

【段階③~④】

病状が強くあらわれるようになった時期が、第3、第4の段階にあたります。

病状が最も悪化した「底」の状態といえるでしょう。抑うつ気分はいっそう深くなり、1日中重苦しい気分が続いて、口数も極端に減ってきます。

 

絶望感から「消えてしまいたい」という思いが沸き起こり、実際に自殺をはかるケースもみられますが、それを実行に移す気さえも起こらず、落ち込んでじっと動かないことも少なくありません。

 

食欲は失われ、体重は大きく減り、不眠もつづきます。

 

【段階⑤】

つらい時期が過ぎ、ようやく回復の兆しがみられるようになる頃がこの第5の段階です。

身体的な方が回復が早く、食欲が出てきて体重も戻り始めます。不眠も少し改善してきますが、早朝に目が覚める傾向はまだあり、疲労感もしばらくはつづきます。

精神面の症状で大きな変化は見られず、改善と悪化を繰り返し、気分が激しく揺れ動きます。

焦りやイライラした気持ちも強く生じます。

薬物治療の効果もまず身体面にあらわれ、気分や意欲の回復は遅れるのが普通です。

この頃は自殺がもっとも起こりやすい時期で、うつ状態が少し軽くなってきたときに、ささいなきっかけで自殺をはかるケースが少なくありません。

 

心身のバランスが不安定で、気分はまだ落ち込んでいるのに、身体面は活動的になるためだと考えられています。

 

≪病状は6つの段階をたどって少しずつ改善する≫

 

【段階⑥】

第6の段階では、本人に「治りたい」という強い意志がわいてきます。

周囲の物事に対する興味や関心を取り戻し、注意力や自信も回復します。

 

ぐっすりと眠ることができて、疲労感の訴えも少なくなり、仕事や家事に取り組む意欲も出てきます。

ただし、完治したと思える状態がしばらく続いた後、再び一時的に症状が悪化するケースもみられます。

 

≪躁状態のあらわれる時期≫

第1段階の直前や、第6段階の直後で症状がだいたい治まった頃に、軽い躁状態があらわれることもあります。

気分が高ぶって、早口でよくしゃべり、いささか過剰に行動し、短い睡眠時間でも疲れを覚えません。

躁病というほどではない高揚感がみられる軽躁状態を併せもつケースを双極Ⅱ型障害とよんでいます。

 

 

症状が持続する期間は人それぞれ

うつ病はこころが長く暗いトンネルに入ってしまった状態といえるでしょう。

長くとも、前に進んでいけば必ず出口は待っています。半年から1年経てば、トンネルの先に光が見えてくるはずです。

まだ効果的な治療がなかった頃、うつ病の人は転地療養するか、入院して、ひたすら回復を待つしかありませんでした。

 

当時のうつ病の平均入院期間は、およそ9ヶ月といわれています。もちろん、病気の程度による違いや個人差はみられたのですが、1年以内にかなりの人が自然に回復したことになります。

現在では薬物療法をはじめ、有効な治療法があるので、より短期間で苦痛を軽減し、大半のうつ病を回復させることができます。

性格や生活環境、薬の効き方、うつ病のタイプといったさまざまな理由から、治療を行っても長引いてしまうケースは「遷延性うつ病」とよばれています。

しかし、たとえ時間がかかってもうつ病は回復します。

 

 

千葉市稲毛区にある轟はり灸治療院では、 心療内科の治療も行っています。

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