頭痛に悩んでいる人は多いようですが、その原因はさまざまです。
中にはクモ膜下出血などの治療に急を要するものもありますが、多くはいわゆる『頭痛もち』の症状である慢性的な頭痛が原因です。
ここではそんな慢性的な頭痛の中でも特に頻度の高い緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛についてお話します。

頭痛について≪緊張型頭痛≫
緊張型頭痛は筋収縮頭痛ともいわれ、『反復発作性緊張型頭痛』と『慢性緊張型頭痛』に分けられています。
この緊張型頭痛は頭痛の半分を占めるほど多い頭痛で男女問わず見られます。
特徴としては頭の両側が痛み、頭重感やギューっと絞めつけられるような圧迫感、違和感といった訴えが見られ、一時的ではなくダラダラと痛みが続くことが多いです。
反復発作性緊張型頭痛は首から肩の筋肉への過度の負担やパソコン作業やデスクワークなどにより、長時間同じ姿勢を続けていることで起こる肉体的ストレスに起因するもので、休息やリハビリ・投薬などで改善し易いタイプです。
この頭痛の対処方法は、悪い日常生活の改善、軽い運動やストレッチなどを行い筋肉の緊張を緩めることが効果的です。
慢性緊張型頭痛は、長期間の精神的緊張やストレス、不安・うつ状態などによって痛みが起こります。この頭痛は精神的なものが原因で起こるため、休息や治療によっても中々治療効果がでにくく、根本原因の精神的負担を軽減することが先決です。
≪緊張型頭痛が起こるメカニズム≫
心身のストレスなどから筋肉が緊張・収縮し、硬くなる
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筋肉内を走る血管も収縮し、血流が悪化する
↓
血管内に乳酸などの老廃物が溜まりやすくなり、
やがて筋肉の中にも老廃物が溜まり、神経を刺激
↓
痛みが発生する
【症状】
・頭の両側が痛む
・圧迫感、緊張感、重苦しい鈍痛、頭重感がある
・運動をしても症状が悪化することはない
・日常生活への支障は比較的少ない(軽度~中程度の痛み)

頭痛について ≪片頭痛≫
≪片頭痛≫
片頭痛は20代~50代の女性に多く、男性のおよそ4倍の発症率といわれています。
痛みは「片頭痛」という名の通り、頭の片側のこめかみから目の辺りにかけて心臓の鼓動に合わせてズキンズキンあるいは、ドクンドクンといった強い痛みが襲ってくるのが特徴です。
ただ、人によっては痛みの場所が左右に移動したり、両側が痛んだりという場合もあり、
酷い時には吐き気や嘔吐を伴って日常生活や仕事も全く手に付かない状態になることもあります。
片頭痛は脳の血管が拡張することによって起こります。
飲酒や運動、入浴などで急に血の流れがよくなると血管が広がり、その広がった血管が神経を刺激してしまい痛みが発生するのです。
また、月経や排卵などホルモン分泌の変調に伴う時やストレスや緊張から解放された時なども痛みが発生すると言われています。
更に、片頭痛は頭痛の起こる「前兆があるもの」と「前兆がないもの」の2種類に分けることができます。
よく知られている症状は、頭痛の起こる30分から数時間前に目の前にチカチカと輝く光が現れ、視野の中心から片隅にかけて部分的に見えにくくなることです。これは閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれ、片頭痛の特徴的な前兆です。
人によって様々ですが、片頭痛の痛みに対しは静かな部屋で安静にすることが第一です。また、痛む場所を冷やしたり、コーヒーなどのカフェインが含まれたものを摂取することにより血管が収縮し痛みが和らぐ場合もあります。
頭痛について「片頭痛の特徴と症状」
◎片頭痛の特徴
慢性頭痛の代表て言えます片頭痛は、コメカミから眼の当たりにズキンズキンと脈を打つような痛む発作性の頭痛です。
≪片頭痛が起こるメカニズム≫
凝縮した血小板からセロトニンが大量に放出される
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脳血管が収縮する
↓
セロトニンが出尽くして減少する
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反動で脳血管が急激に拡張する
↓
脳血管が三叉神経を圧迫し、痛みが生じる
【症状】
・片側(両側のこともある)が痛む
・体を動かすと痛みが増す
・痛みがひどくなると寝込むほどつらい
・日常生活に支障をきたす(中程度以上の痛み)
・閃輝暗点(せんきあんてん)を伴う場合がある
・発作の予兆として肩こりが起こる
・吐き気をもよおす
・吐くこともある
・光が気になる(光過敏)
・音が気になる(音過敏)
・においが気になる(におい過敏)

頭痛について ≪群発性頭痛≫
慢性的な頭痛の中でも特に頻度の高い緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛についてお話します。
≪群発性頭痛≫
群発性頭痛は、春先や秋口など季節の変わり目にはじまり、一度痛みが現れると毎日のように頭痛を起こすようになります。
痛みは一定の期間で、大抵は1~2ヵ月くらい続き、その後半年から2~3年としばらく時間がたったあと再び同じような頭痛に見舞われるのです。
頭痛の起こっている期間のことを「群発期」と呼び、群発期以外の期間では頭痛はすっかり治まってしまいます。
女性に多くみられる片頭痛に対し、群発頭痛は20~40歳代の男性に多く、女性の4~5倍にのぼるともいわれますがその理由ははっきりしていません。
この頭痛の特徴的な症状は「目の奥がえぐられるような痛み」「きりで刺されるような痛み」と表現されるように、耐えられないほどの痛みだといわれます。
群発頭痛は、飲酒やタバコ、気圧の急激な変化などが誘因になるといわれているため、群発期間はこれらを控えることが必須です。
頭痛について「群発頭痛の特徴と症状」
◎群発頭痛の特徴
群発頭痛は、ある一定の時間に、まるで群発地震のようにしきりに起こる頭痛です。
片側の目の奥が、火箸でえぐり取られるような強烈に痛むのが特徴で、比較的にまれな頭痛です。
圧倒的に男性に多くみられる慢性頭痛です。
≪群発頭痛が起こるメカニズム≫
体内時計に乱れが生じる
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その情報を内頚動脈の周囲の三叉神経が「痛み情報」としてキャッチして
炎症を(痛み)物質を放出
↓
内頚動脈が炎症を起こして拡張、三叉神経を刺激
↓
痛みが発生する
【症状】
・痛みは厳密に片側に限定される
・眼窩(眼球の入っているくぼみ)や同上部が痛む
・側頭部が痛む
・前額部や顔面に汗をかく
・涙が出る
・結膜が充血する
・まぶたが下がる
・まぶたが腫れる
・鼻がつまる
・鼻水が出る
