女性に特有な睡眠障害の代表は、①月経関連過眠症と、②更年期症候群に伴う不眠の2つです。

 

女性では、月経が始まる(初潮)頃から過眠症状が生じ、更年期の月経が終わる(閉経)頃に不眠症状が現れるので、睡眠とホルモンバランスとの深い関係が示唆されます。

 

女子の大学生に対する調査では、40%に月経に関連した睡眠の変化が見られ、その中で94%が眠気の増大を訴え、睡眠時間の増大も見られたようです。

 

病的なものは、医学的に「月経関連過眠症」と呼ばれ、月経前の多彩な身体精神的愁訴を伴う月経前症候群(月経前不快気分障害)と合致した病相期で、寝込むほどの重症者もいます。

 

この病相期は月経前に約一週間続いて、月経が始まると急速に消失するので、過眠症状に対してはホルモン療法(低用量)や便秘やイライラなどの症状には鍼灸治療が有効とされています。

 

 

「更年期症候群に伴う不眠」も、多くの女性を悩まされています。

外国では、更年期の女性の91%が倦怠感を訴え、77%が不眠を訴えると報告されています。

 

わが国の勤労女性の調査では、のぼせや発汗を訴える50~54歳の女性は、その症状がない同世代の女性よりも寝つきが悪く(入眠潜時が延長し)、睡眠効率が低下し、生活の質も悪くなるようです。

 

ただ、更年期が終わっても不眠が継続する女性が少なくないので油断できません。

 

更年期以降の不眠は、精神生理性不眠(慢性不眠症)と同義に扱われますが、うつ病の好発年齢も更年期と重なり合っているので、不眠の持続で悩んでいる方はできるだけ早く鍼灸治療の受診をお勧めします。