入浴も眠りに大きな影響を与えます。
人間は、普通体温が下がると眠りに入っていきます。
ところが、眠る直前に熱いお風呂に入り、ゆでダコのようになった状態で布団に入ると、なかなか寝付くことができません。
ポカポカに温まり過ぎると、逆に眠りが訪れにくいのです。
つまり、眠りに必要な体温の低下を起きにくくしているのです。
眠りを誘う効果的な入浴法は、寝る前に、少しぬるめのお湯に浸かることです。
そして、適度に温かい状態で布団に入り、風邪を引かない程度に徐々に体温が下がってくるのでこのとき脳の温度(脳温)の低下に一致して気持ち良く、スッと眠りに入ることができます。
以前に電気毛布や電気敷布が流行したことがあります。
布団に入った時は気持ち良くても、途中で必ず寝苦しくなったものです。
眠る時は頭寒足熱が基本です。
温めすぎると脳温が下がらず、ぐっすり朝まで眠れないのは当然でしょう。
マッサージをするとよく眠れるという人がいます。
これは心理的なものと考えられます。
マッサージは激しい運動と同様の負荷と刺激を筋肉に与えます。
筋肉を刺激することで体温が上昇し、交感神経が亢進します。
アドレナリン、ノルアドレナリンなど、交感神経の作用を促すホルモンや伝達物質を総称してカテコールアミンといいますが、マッサージによって血中のカテコールアミンの濃度が高まり、逆に眠りにくくなることもあります。
激しい運動をしたあとは、すぐには眠れません。
それと同じように、度を越したマッサージも眠りの妨げになるため、運動でもマッサージでも、適度なものが睡眠に良い影響を及ぼすでしょう。