≪乳・幼児期や児童期のうつは親子関係が主因≫

うつ病をはじめとするこどもの心の病気は、家庭環境や親子関係と深いかかわりがあります。

とくに、母子関係はあらゆる人間関係の基本となり、乳児期に母親や、それにかわる養育者の十分な愛情のもとで育てられないと、その後の心の成長や性格形成、心の病気の発症に影響をおよぼすと考えられています。

生まれてから6か月間以上、母子関係が保たれていて、その後、離婚や死別などによって母親から引き離された乳児は「依存抑うつ」とよばれる抑うつ状態におちいりやすくなります。

はじめのうちは、いなくなった母親を求めて頻繁に泣くのですが、3か月ほど経つと泣かなくなり、動作は鈍く、表情の変化も乏しくなってきます。

また、体重減少や睡眠障害もともないます。早い段階で母親に変わる養育者を得られなければ、心の傷となって残ることが少なくありません。

幼児期までに十分な母子関係が築かれていないと、母親から分離していく段階で不安感が生じ、抑うつ状態におちいるケースがみられます。

また、社会性がはぐくまれる児童期は、親子関係だけではなく、いじめなどの友達とのトラブル、教師との関係、勉強への挫折感などから抑うつ状態を示すことがあります。

しかし、思春期くらいまでの子供は、自分の感情や気分を自覚したり、的確な言葉で伝えることがうまくできません。

そのため、抑うつ気分は表情や態度、行動の変化、体の不調といったかたちであらわれてきます。

たとえば、好奇心旺盛で活発だった子供が、好きな遊びに興味を示さず、表情が乏しくなることがあります。

毎朝、「気分が悪い」と訴えて学校を休みがちになったり、成績が急激に下がる子供もいます。

発作的に泣く、食欲が低下する、十分に眠れない、性器をいじる、落ち着きがなくなるといった症状が、抑うつ気分のあらわれかもしれません。

そのようなサインを見逃さないことが大切です。

 

 

≪「不登校」「引きこもり」の背景にうつ病が≫

思春期から青年期は、幼児期につぐ第2の親離れの時期で、独立した自己が確立されてきます。

非常に不安定で多感な時期でもあり、些細な出来事やちょっとした言葉にも傷ついてしまうものです。

親離れ・子離れがうまくいかないと、さまざまな問題行動やこころの病気を引き起こしやすくなると考えられています。

親の過保護や過干渉は、子供の自立を妨げ、こころのゆがみを招くことに繋がりかねません。

 

思春期、青年期のこどもがうつ病になると、不登校や引きこもりといったかたちで表面化するケースがあります。

こうした問題行動がみられるときには、背後にうつ病が潜んでいる可能性も考慮に入れることが必要です。

そして、それがストレス反応によるものなのか、うつ病に起因するものなのか、あるいは対人恐怖症やアパシー・シンドローム、統合失調症など、ほかの精神的トラブルや精神疾患によるものかをきちんと見極め、適切に対処することが求められます。

 

≪コラム:増えている児童虐待≫

厚生労働省の定義で、児童虐待は身体的虐待、保護の怠慢ないしは拒否(ネグレクト)、性的虐待、心理的虐待の4つにわけられています。

大きな社会問題になっている児童虐待ですが、最近は、身体的虐待よりも、ネグレクトや心理的虐待が増えているという指摘があります。なかなか表にあらわれないところが、児童虐待をいっそう深刻なものにしているのです。

虐待をする養育者は、自らも虐待を受けて育ったケースが少なくありません。

虐待は子供の心身に大きな傷を残し、その後の成長・発達に悪影響をおよぼします。

 

 

 

千葉市稲毛区にある轟はり灸治療院では、 心療内科の治療も行っています。

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