≪原因不明の疲労感が続く慢性疲労症候群≫

原因となる疾患が見いだせないのに、からだが疲れやすく、激しいだるさがつづくため、日常生活に支障をきたすケースを慢性疲労症候群(CFS)といいます。

疲労感、全身倦怠感のほか、微熱やのどの痛み、筋肉痛や関節痛、頭痛、リンパ節の腫れ、光の眩しさ、睡眠障害などが見られ、うつ状態、物忘れ、思考力や集中力の低下といった精神面の症状もあらわれます。

こうした症状が6ヶ月以上続いたり、再発を繰り返し、身体的な検査を行っても原因となるような病気がみつからない場合に、慢性疲労諸侯群と診断されます。

慢性疲労症候群は1984年、アメリカで「かぜ」の大流行後に集団発生したことから、広く関心を集めるようになりました。ヘルペスウイルス感染や、何らかの免疫異常が推測されていますが、いままでのところ原因は特定できていません。日本では、厚生労働省が92年に診断基準を作成し、同じような症状がみられる症候群ととらえられています。

 

 

≪軽症のうつ病と判別がつきにくい≫

日本でもマスコミによって大きく取り上げられたため、「自分も慢性疲労症候群ではないか」と疑い、医師の診断を受ける人が数多く見られました。

しかし、そのほとんどは、軽症のうつ病や自律神経失調症だったようです。

慢性疲労症候群では、うつ病とよく似た症状があらわれます。また、うつ病も微熱や喉の痛み、筋肉痛などを伴う事があります。

このため、2つの判別はなかなか難しいのですが、うつ病ではみられないほどの著しい疲労感や全身倦怠感が診断の決め手となるようです。

仕事は続けていても、1ヶ月のうち休日以外に少なくとも数日は、外出出来ないほどの強い疲労感があらわれて、自宅での休養が必要となるケースもあるので、周囲の十分な理解が欠かせません。

慢性疲労症候群の治療はまだ十分に確立されていませんが、漢方薬やビタミン剤、抗うつ薬の服用、十分な休養によって症状は少しずつ改善されるようです。抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質の代謝を改善します。また、認知行動療法も有効とされます