うつ状態は、さまざまな病気でみられます。

特にうつ症状とよく似た症状があらわれる病気として、神経症(不安障害、強迫性障害、解離性障害など)や心身症があげられます。

 

≪神経症は心因によるこころのトラブル≫

神経症は、精神的なストレスによって心身、特にこころに不調があらわれた状態で、かつては「ノイローゼ」ともよばれていました。

うつ病と同じように憂うつ感が続くときは判別しにくいのですが、いくつかの違いがみられます。

 

神経症では、内奥に不安を抱く点が特徴です。この不安のうえに、恐怖症状や強迫症状、心気症などがあらわれます。

うつ病でも多かれ少なかれ不安はみられますが、神経症ではより顕著に生じます。不眠や食欲不振、疲労感などのほか、頭痛、めまいといった自律神経症状も招きます。

激しい動悸や胸痛をともなう「パニック発作」をおこすこともあり、発作の再発への不安から、かえって症状が強まるケースもみられます。

 

≪自己中心的・依存的な性格が発症に関与?≫

病気の経過にも違いがあります。うつ病は、何度か再発を繰り返すケースもみられますが、数ヶ月で回復します。

神経症では発作性の症状を除くと、常に症状のあらわれている状態が続きます。

 

発症前の性格傾向も異なり、自己中心的で他人に依存しやすいタイプの人が、神経症になることが多いとされています。

 

なお、DSM-Ⅳ-TRでは神経症という診断名を採用していません。神経症のタイプによって、脳内メカニズムが異なる可能性が指摘され、またストレスとの関連もあいまいで、神経症という枠でひとくくりにすることが難しくなってきたためです。

したがって、DSM-Ⅳ-TRでは、従来の各神経症がパニック障害、強迫性障害というように、症状名に近いかたちで独立して並んでいます。