知られた作家や画家、音楽家などの精神病理を探り、作品におよぼした影響を明らかにするものが「病跡学」です。

病跡学関連の本を繰ってみると、かつて躁うつ病に悩んださまざまな著名人の名が出てきます。

 

例えば文豪ゲーテ。彼はその人生において、ほぼ6年の周期でうつ状態と躁状態の両極の気分変動を体験したそうです。そして躁病期、軽躁期には恋愛に陶酔し、『ファウスト』をはじめとする数々の名作を残すことになったのです。

 

宮沢賢治の『注文の多い料理店』や『春と修羅』は軽躁期に書かれたと言われていますが、たしかに「躁」と思わせる独特の感覚が満ち溢れています。

 

夏目漱石は軽躁期に『吾輩は猫である』を書き上げました。

軽度の躁状態が創造の活力源となることは、以前から広く知られていました。

逆に、抑うつの時期に創造の源泉が溢れるとは思えません。

抑うつ気分から解放された後、自らの抑うつ体験を創造の糧にしているのではないでしょうか。

 

吉行淳之介はしばしば抑うつ気分にさいなまれており、随筆『鬱の一年』に「私は鬱陶しく結ぼれてゆく気分を誤魔化すために、麻雀ばかりやっていたが、病気は神経だけでなく肉体にも及んできた。新しい年がきたときには、十五キロ目方が減り、大袈裟にいえば幽鬼のような相を呈してきた」と記しています。

 

千葉市稲毛区にある轟はり灸治療院では、心療内科の治療も行っています。

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